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【マスターバックのトラブルシューティング】ブレーキが重い原因は?交換前に確認したいポイント

9月9日
読了時間: 9分

シボレーシェベルのレースの様子


皆様こんにちは♪


FREEDOMの山田です。


今回は、当社ブログでもよく読んでいただいているマスターバック(ブレーキブースター)について、もう少し実践的なお話をしたいと思います。


テーマは、


「ブレーキが重い=マスターバック故障とは限らない!」


です。


「最近ブレーキペダルが重くなった」

「以前より強く踏まないと止まらない」

「マスターバックを交換したのに直らない……」

そんな時、皆様ならどうしますか?

「とりあえずマスターバック交換!」


……ちょっと待ってくださいw


実際には、マスターバック本体ではなく、バキュームホースやチェックバルブ、エンジン側の負圧などが原因になっていることもあります。


今回は、1960〜70年代のマッスルカーを中心に、マスターバック周辺のトラブルをどう切り分けていくのか、FREEDOMの考え方も交えてお話しします♪



シボレーシェベル


まずはおさらい。マスターバックとは?


マスターバックは、ブレーキペダルを踏む力を補助する装置です。


一般的なバキューム式では、エンジンのインテークマニホールドで発生する負圧を利用しています。

簡単に言えば、


エンジンの負圧 → マスターバック → マスターシリンダー → ブレーキ


という流れですね。


マスターバックが正常に働いていることで、比較的軽い力でもブレーキを操作できます。


逆にアシストが失われると、ブレーキペダルが非常に重くなることがあります。

ただし、ここが重要です。


マスターバックが正常でも、そこへ十分な負圧が届いていなければアシストは弱くなります。


つまり、マスターバックだけを見ていても原因が分からないことがあるんです。





マッスルカーのレースの様子


症状① エンジンをかけてもブレーキペダルが重い


マスターバック系統のトラブルで代表的なのが、ペダルが異常に重くなる症状です。

エンジン停止後、何度かブレーキを踏むと、内部に残っていた負圧がなくなってペダルが重くなります。

これは正常な動きです。


問題は、エンジンを始動しても重いままという場合。

この時は、


  • マスターバック本体

  • バキュームホース

  • チェックバルブ

  • エンジン側の負圧

  • 負圧配管の接続状態


などを確認する必要があります。


簡単な作動確認

停車した安全な場所で、エンジンを停止した状態からブレーキペダルを数回踏み、残っている負圧を抜きます。

その後、ペダルを踏んだままエンジンを始動します。

正常にアシストが働けば、ペダルが少し奥へ沈む感覚があります。

反対に、まったく変化しない場合は、アシストが正常に働いていない可能性があります。

ただし、これだけで、

「はい!マスターバック故障確定!」

ではありませんw

あくまで原因を絞るための確認です。



症状② 「シュー」というエア漏れ音がする


ブレーキを踏んだ時に、


「シューーー」


という音がする場合もあります。


一瞬の作動音であれば、必ずしも異常とは限りません。


ただし、以前はしなかった音が継続するようになったり、ペダルの重さやエンジンの不調も同時に出ている場合は注意が必要です。


マスターバック内部のダイヤフラムやバルブ、チェックバルブ周辺、バキュームホースなどから負圧が漏れている可能性があります。


音だけで決めつけず、ほかの症状と合わせて確認することが大切です。




マッスルカーのレースの様子

症状③ ブレーキを踏むとアイドリングが不安定になる


「ブレーキの話なのにエンジン?」


と思うかもしれませんが、これも重要なポイントです。


マスターバックはエンジンの負圧を利用しています。


そのため、マスターバックや配管から大きな負圧漏れが起こると、エンジンの吸気にも影響することがあります。


例えば、

ブレーキを踏む↓アイドリングが大きく変化する↓回転が不安定になる↓場合によってはエンストする

といった症状です。


特にキャブレター車では、変化を感じやすいケースもあります。


「キャブの調子が悪いのかな?」

「点火系かな?」


と色々触っていたら、実はバキューム漏れだった。


……旧車あるあるですねw



症状④ 最初は効くのに、何度か踏むと重くなる


ここで確認したいのが、チェックバルブ(逆止弁)です。


前回の記事でもお話ししましたが、僕の経験上、かなり多いトラブルのひとつです。


チェックバルブは、マスターバックの負圧を保持するための部品です。

小さな部品ですが、経年劣化によって割れたり、内部が正常に動かなくなったりすることがあります。


また、ホースの亀裂や接続部分からの漏れでも、十分な負圧を保持できなくなる場合があります。

マスターバック本体を交換する前に、こうした周辺部品を確認することが大切です。


高い部品を注文して、交換して、


「直らんやん……」


となるのは悲しいですからねw



症状⑤ ペダルがスカスカする場合は?


ここは少し話が変わります。


マスターバックのアシストが失われた場合、基本的にはペダルが重く・硬くなる方向です。


一方で、


「ペダルがスカスカする」

「奥まで入る」

「何度か踏むと少し硬くなる」

「踏み続けると徐々に沈む」


といった症状の場合は、マスターバック以外の原因も考える必要があります。


例えば、


  • ブレーキラインへのエア混入

  • ブレーキフルード漏れ

  • マスターシリンダー内部の不具合

  • ドラムブレーキの調整不良


などです。

もちろん、症状だけで原因を断定することはできません。


ただ、


「重い」のか「スカスカする」のか。


この違いを整理するだけでも、原因を探る大きなヒントになります。



マッスルカーが国道を走る様子


マスターバックを疑ったら、まず何を見る?


FREEDOMでは、こうしたトラブルでは「部品を交換して様子を見る」よりも、まず原因を切り分けることが重要だと考えています。


基本的には、


① ペダルの症状を確認する

重いのか、柔らかいのか、踏み続けると沈むのか。


② マスターバックの作動を確認する

エンジン始動時にアシストが働いているか。


③ バキュームホースを確認する

亀裂、硬化、抜け、接続部分からの漏れがないか。


④ チェックバルブを確認する

正常に負圧を保持できているか。


⑤ エンジン側の負圧を確認する

必要に応じてバキュームゲージなどを使用し、実際の負圧を測定する。


⑥ マスターバック本体を確認する

周辺に問題がなければ、内部のダイヤフラムやバルブ機構などを疑う。


という流れです。


もちろん、実際の点検方法は車両の仕様や症状によって変わります。


大切なのは、「どこで正常な働きが失われているのか?」を順番に考えることです。



マッスルカー特有の注意点。ハイカム仕様は?


ここはマッスルカーならではのお話です。

ハイカム仕様のエンジンでは、アイドリング時のインテークマニホールド負圧が低くなることがあります。

すると、


「マスターバックは新品」

「ホースも新品」

「チェックバルブも正常」


なのに、


「それでもブレーキが重い!」


ということが起こり得ます。


この場合、マスターバックが悪いのではなく、そもそも十分な負圧が供給されていない可能性があります。

新品に交換したからといって、必ずしも解決するわけではないんですね。


車両の仕様によっては、エンジンセッティングの確認や、バキュームタンク、電動バキュームポンプなどの検討が必要になる場合もあります。


ただし、何を追加すればよいかは車両によって異なります。


「ハイカムだからとりあえずポンプ付けとこ♪」


ではなく、まずは現在の仕様と負圧の状態を確認することが大切です。



マスターバックのトラブルシューティング / よくあるトラブルの考え方


例えば、

「ブレーキが重いからマスターバック故障だと思ったら、ホースに亀裂が入っていた」

というケース。


あるいは、

「マスターバックを新品にしたのに、ハイカム仕様でアイドリング時の負圧が足りていなかった」

というケース。


また、

「マスターバックだと思っていたら、ペダルが徐々に沈む症状で、マスターシリンダー側の不具合だった」

ということも考えられます。


同じ「ブレーキがおかしい」でも、原因はまったく違います。

だからこそ、


「とりあえず新品に交換!」


ではなく、


「なぜその症状が出ているのか?」


を考えることが重要なんです。




シボレーのエンジン

良い診断は、交換する前に原因を絞ること


50年以上前のマッスルカーでは、ひとつの部品だけを見ていても原因が分からないことがあります。


マスターバックひとつを取っても、

エンジン負圧↓バキュームホース↓チェックバルブ↓マスターバック↓マスターシリンダー↓ブレーキ配管↓キャリパー・ホイールシリンダー


というように、ひとつのシステムとして考える必要があります。


部品を順番に新品交換していけば、いつか直るかもしれません。


でも、それでは余計な費用がかかることもあります。


特にアメリカから部品を取り寄せる場合は、部品代だけではなく送料や待ち時間もありますからね。

交換して直らなかった時のダメージは、お財布にも精神的にも大きいですw


だからこそ、原因を確認してから必要な部品を交換する。


古いマッスルカーだからこそ、この考え方が大切だと思っています。



まとめ|「旧車だからこんなもの」で終わらせない


今回は、マスターバック周辺のトラブルシューティングについてお話ししました。


ブレーキペダルが重いからといって、必ずしもマスターバック本体が故障しているとは限りません。


バキュームホース。

チェックバルブ。

エンジン側の負圧。

マスターシリンダー。

ブレーキの油圧系統。


さまざまな原因を、症状に合わせて切り分ける必要があります。


特にマッスルカーは、エンジンが純正状態とは限りません。


ハイカムやインテークの変更などによって、負圧の特性も変わります。

だからこそ、


「古い車だからこんなもの」

「とりあえず新品に交換」


で終わらせず、その車がなぜその症状を出しているのかを見ることが大切です。


---


FREEDOMが目指しているのは、マッスルカーを単なる「古い車」として扱うことではありません。


きちんと走って、曲がって、止まる。


そして「自動車」として楽しめるマッスルカーを届けること。


そのためにも、車全体の仕組みを理解したトラブルシューティングを大切にしていきたいと思っています。


今回の記事が、皆様のアメ車ライフの参考になれば幸いです♪


なお、ブレーキは安全に直結する重要な部分です。

ペダルの感触や効きに異常がある場合は、無理に走行せず、専門知識のある整備工場等で点検してくださいね。


それでは皆様、楽しいアメ車ライフを!

一度きりの人生楽しんでいきましょ〜♪



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